教育勅語の再評価はデタラメであることを解説。
美少女VTuberみーちゃんが政治の動きや時事問題について解説する、みーちゃんの政治ちゃんねる様の動画。2018/10/21に公開。
教育勅語等は、戦後間もない国会において、排除決議(衆議院)、失効確認決議(参議院)が行われたことにより、完全に失効しています。
教育勅語等の失効確認に関する決議(昭和23年6月19日 参議院公式)
それにもかかわらず、先日の柴山文科大臣による教育勅語賛美発言など、「教育勅語にも良い事が書いてある」を理由として教育勅語を再評価して復活させようとする者が後を絶ちません。
今回のみーちゃん動画では、教育勅語の再評価がデタラメであることを解説しています。
教育勅語を再評価するパターンの1つとして、全体の文脈を無視して、個別の徳目だけを取り出すことが挙げられます。柴山文部科学大臣の教育勅語賛美発言も、このパターンに当てはまります。
しかしながら、すでに教育基本法や「特別な教科 道徳」に、教育勅語の個別の徳目に似たようなものが反映されています。
「特別の強化 道徳」に関する中学校の学習指導要領を確認していくみーちゃん。「父母、祖父母を敬愛」「日本人としての自覚を持って国を愛し」などの徳目がすでに入っています。安倍総理に近い立場の者からも指摘されています。これなら、「道徳」で普遍的な内容を教えるために、わざわざ騒ぎを起こしてまで教育勅語そのものを持ち出す必要はなくなってます。
ここで、柴山文科大臣が教育勅語をロクに読んでいない可能性をみーちゃんが指摘。
柴山文部科学大臣の教育勅語賛美発言中にある「国際的な協調」は、教育勅語内に全く書かれていない。いくら解釈しても、「国際協調」を読み解けないです。この文部科学大臣は、きちんと教育勅語の中身を読んだ上で評価したのだろうか?
さらに、教育勅語については、1913年に当時の文部省が、「文脈を重視する読み方」を公式見解としています。端的に言うと、「親孝行などの各徳目は、皇室の運命を助けるためにある」扱いになってます。
このため、個別の徳目だけ分離して再評価するような扱いは、不適切となります。
現在出回っている教育勅語の現代語訳には、適当でデタラメなものが多いことをみーちゃんが指摘。
例えば、明治神宮の公式サイトに掲載されている、国民道徳協会による教育勅語の現代語訳はデタラメもいいところ。なぜならば、国民道徳協会による現代語訳には、「臣民が天皇に忠節を尽くす」関係が隠蔽されているから。
この現代語訳では、「我が皇祖皇宗」と「爾祖先」の両方が、「私たちの祖先」と訳されており、天皇と臣民の祖先を同列に扱っています。「天皇と臣民の上下関係」の文脈こそ教育勅語の根幹であり、この文脈が無くなると、教育勅語としての体裁をなさなくなります。
明治神宮が改ざんにも等しい現代語訳で天皇の存在を隠蔽するとは…。
すでに教育勅語の個別徳目に似た内容が「特別の教科 道徳」に取り入れられていること、教育勅語の徳目は「文脈で読む」ことが定説になっていることから、教育勅語を再評価する一部は、内容を意図的に歪めていることになります。
みーちゃんが指摘するように、歪めた教育勅語を賛美したり再評価することが「愛国」でしょうか?自称愛国者たちのインチキぶりがここにも現れています。
なお、今回のみーちゃん動画では、個別の徳目の是非については触れていないです。教育勅語や教科道徳の「徳目」が普遍的であるかどうかは議論の余地があります。そのことについては、今後のみーちゃん動画で扱うかも?