閣法(内閣提出法案)が国会に提出される手順についての解説。
美少女VTuberみーちゃんが政治の動きや時事問題について解説する、みーちゃんの政治ちゃんねる様の動画。2018/10/31に公開。
先日、外国人労働者の受け入れを拡大するための入管法改正について、自民党内の法務部会でなかなか結論が出なかったことがニュースになりました。
今回のみーちゃん動画では、自民党内の機関である「部会」と、閣法(内閣提出法案)が国会に提出される手順についての話になります。
まずは、自民党内での法案の事前審査についての解説。
国会に提出される法案には、閣法(内閣提出法案)、衆法(衆院議員が提出した法案)、参法(参院議員が提出した法案)の3種類あります。そして、成立する法案の8割は、閣法になってます。
閣法についてですが、内閣の一存だけで国会に提出されるのでなく、その前に自民党内での了承を得る必要があります。国会提出前に自民党内で法案の審査を行うシステムを、事前審査といいます。
自民党内の法案の事前審査は、関係部会→政調審議会→総務会の順で行われます。
まず、関係部会について。政務調査会の下に置かれており、各省庁に応じた部会がいくつかあります。党内で政策について議論する場となってます。内閣提出法案について具体的な議論は、この主にこの部会で行われ、事前審査の中心となってます。
政調審議会は、政務調査会の幹部の会合で、部会から上がってきた法案を審査します。
総務会は、党大会、両院議員総会に次ぐ自民党の意思決定機関であり、法案の事前審査については、総務会の決定がそのまま党の決定とされます。総務会の決定を通らないと、内閣は法案を国会に提出しない。
なお、関係部会、政調審議会、総務会は、全て全会一致の原則で運営されます。先日結論が出なかった入管法改正についても、最終的には全会一致で決定がなされました。それから、現在は公明党との連立政権のため、法案提出にあたって公明党の了承も取ります。
次は、(与党議員にとって)国会は何のため?についての話。
内閣提出法案については、部会で議論がなされてから、党の決定を経て国会に提出されます。そうなると、与党議員にとっての国会の存在意義は?となります。
ここで、過去に厚生労働大臣を務めた自民党議員の見解を紹介します。
この議員の見解は、「与党にとって部会は政策を議論するところ、委員会は議論を尽くした法律案を成立するための作業をするところ」となってます。
これにはみーちゃんも「とっても正直」と褒めているんだか、呆れているんだか。
与党議員にとっては、内閣提出法案について党内で決定事項としていることから、国会での目標は「法案をそのまま通すこと」になります。加えて、総務会での決定を経ることで党議拘束がかかり、与党議員は内閣提出法案にそのまま賛成し、法案の修正も予定しない。そうなると、国会での与党議員が質問することに、何の意味があるのでしょうか?
昨年、衆院選で圧勝した自民党は野党の質問時間を減らすことを要求してきました。
内閣提出法案は、「すでに自民党内で議論された上、全会一致で決議」「自民党議員は、党議拘束により賛成する決定がなされている」。
そうなると、みーちゃんが言うように、自民党の議員が国会で質問することは、「地元の人向けに頑張っているとパフォーマンスをする」ぐらいの意味しかなくなってしまう。
今回のみーちゃん動画は、ここまで。チャンネル登録を呼びかけながら締めくくります。